金太郎と言えば、赤いひし形の前掛け、まさかりを担いだこども、というヴィジュアルが思い浮かびますよね。
ですが、「金太郎って結局何をした人?」と聞かれたら「うーん…」となってしまう人が多いのではないでしょうか。
今回は昔話でいう金太郎のあらすじについて簡単にわかりやすく解説します。
子どもに読み聞かせをする人もぜひ参考にしてみてくださいね。
金太郎は実は何もしていない…?
次の項目で、さっそくあらすじから見ていきましょう。
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金太郎のあらすじを短く簡単に解説!
金太郎のお話のあらすじをポイントでまとめると以下のようになります
金太郎の物語あらすじの流れ
- 足柄山(今の静岡県)で生まれ育つ
- 肌が赤く、まさかりを持っている
- 山の動物たちが友達だった
- 腕っぷしが強く熊にも相撲で勝った
- しかし金太郎は暴力的ではなく、寧ろ心優しい人物だった
- 近くを通った源頼光がそんな金太郎を見て家来にならないかと誘う
- 家来になり名前を坂田金時に変え鬼を退治する
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↓くわしいお話の内容はこちらを参考にしてみてください。
昔、足柄山の山奥の家に金太郎と母親が暮らしていました。金太郎は産まれた時からの力持ちで石臼をハイハイしながら引きずってしまうほどでした。
金太郎が歩き始めると、母親は金太郎に腹掛けを作りましたが、腹掛けはブカブカでした。でもそれは、金太郎が早く大きくなるようにという願いが込められていたのです。山奥で暮らす金太郎の遊び仲間は動物たちでした。元気に動物たちと遊ぶうちに金太郎はどんどん大きくなり、腹掛けもピッタリになっていました。
金太郎が身体が大きくなり力がついたことを知った母親は、金太郎に鉞を与えました。金太郎はその鉞で薪割りの手伝いをするようになりました。
その年の秋。動物たちが金太郎のところに来て栗拾いに行かないかと誘いました。金太郎は喜んで動物たちと栗拾いに出かけましたが、崖にかかっていた橋がなくなっていました。動物たちが困っていると、金太郎は近くにあった大きな木を力一杯押し倒し橋をかけてあげました。
金太郎たちが橋を渡った向こう側には栗の木があり、栗の実が沢山落ちていました。皆が夢中で栗拾いをしていましたが突然、茂みの方から大きな熊が現れました。動物たちは震え上がりましたが、金太郎は怖がることなく熊とがっぷり組み合いました。
山で一番強い熊が相手では流石の金太郎もなかなか勝負がつけられません。動物たちの応援に励まされ金太郎はついに熊を持ち上げ勝ちました。熊は降参して、金太郎と他の動物たちと仲良くなりました。
この金太郎はのちに坂田金時と名を改め、源頼光四天王のひとりに数えられる立派な武士になるのです。これは坂田金時の子供時代の物語です。
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金太郎は、実はこれといって何かをした訳ではない
実は、金太郎のお話に劇的なイベントはありません。
桃太郎のように鬼が島を平定したり、浦島太郎のように竜宮城へ行き玉手箱をもらったり…ということは物語の中に出てこないんです。
これが金太郎が他の桃太郎や浦島太郎に比べて地味でインパクトが薄い要因になっています。
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金太郎と歴史:坂田金時は実在の人物?
金太郎は実際の人物をモデルにしたのかどうか、実はよくわかっていません。
色々な伝説があって、どこでいつ誰から生まれたか色々な説があるのです。
例えば、天歴10年(956年)に静岡県で生まれ、源頼光という人物について賊退治をしに今の福岡県に行く最中55歳で病死したという説があります。
その他にも、長野県や新潟県で生まれたという説もあり、正確なことはよくわかっていません。
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源頼光の家来になる
源頼光は有名な源頼朝や源義経の先祖に当たる人物で、さまざまな伝説を持つ人物です。
源頼光は各地を放浪し、何か問題があればそこに赴いて解決していました。
金太郎こと坂田金時はそんな頼光につきしたがう頼光四天王のひとりとして、他の四天王や頼光といっしょに鬼や賊を退治しました。
が、どちらかというと鬼退治の主役は四天王仲間の渡辺綱なので、金時の影は薄めです。
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酒呑童子(しゅてんどうじ)の退治
酒呑童子は元は京で一番のイケメンでしたが、あまりにも女子を袖にしてきたので女子の恋文を燃やそうとしたときに呪いで鬼になってしまいました。
人里に居られなくなった酒呑童子は大江山に逃げ込みますが、その後もたびたび京の街に下りてきては人々から酒をたかったり悪さをしていました。
目に余る酒呑童子の悪行を見た頼光たちは退治を試みることになります。
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大江山の鬼退治
大江山へと逃げ帰った酒呑童子を討つべく、頼光たちはやまぶしに姿を変えて酒呑童子の好物の酒に薬を混ぜて飲ませることに成功します。
作戦に成功した頼光たちは酒呑童子の首を落とすことに成功しますが、酒呑童子は間一髪首だけで逃げ切ることに成功し、倒すことはできませんでした。
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羅生門の鬼退治
京都の羅生門に鬼が出るという噂を聞いた頼光一行でしたが、四天王のひとり渡辺綱がその退治に乗り出します。
渡辺綱はその武勇をもって鬼の変装に気付くや否や腕を切り落とすことに成功します。
しかしその後また老婆に変身した鬼の巧みな話術に騙されて、腕を取り返されて逃げられてしまいました。
このときの鬼が茨木童子と言われています。
やはり渡辺綱が主役なので、残念ながら金太郎はほんの少ししか登場しません。
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金太郎のお話から伝えるべき教訓とは?
金太郎のは武勇を鼻にかけることなく、心優しい青年でした。
山奥の閉鎖的な空間で一番強く、賢い人間だったにも関わらず金太郎は他の動物を従えたりはしませんでした。
動物たちが崖を渡れず困っていれば、金太郎は木を引っこ抜いて丸太橋にしました。
頼光が金太郎をスカウトしたのは強いだけではなく、心優しかったからが大きいのです。
また当時は栄養状態や衛生状態は今とは比べ物にならないほど悪く、子どもが大人に成長することは当たり前ではありませんでした。
だからこそ幼少から健康そのもので腕っぷしも強かった金太郎は、健康と子どもの健やかな成長の象徴として、後世では五月人形のモチーフにもなったのです。
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金太郎に名前が由来するもの
日本の食べ物やことわざには、金太郎に由来するものがたくさんあります。
以下では、それぞれの内容について紹介します。
①金時豆(きんときまめ)
金時豆は、金太郎の後の名前の坂田金時から来ています。
②きんぴらごぼう
きんぴらは金太郎の子供の坂田金平から来ています。
金毘羅ではないのですね。
③金太郎あめ
切っても切っても金太郎の顔が出ることで有名な金太郎あめ。
筆者は実は見たことがありません、意外と珍しいかも…?
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④金時の火事見舞い
実は金太郎の絵はどれも肌が赤いのですが、これは金太郎が雷神の子だからという説があります。
そんな赤い肌の金太郎が火事の見舞いにいったら赤い肌がますます赤くなっちゃいますよね。
そこからお酒で酔っぱらって真っ赤になった顔などを、金時の火事見舞いと呼ぶそうです。
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⑤五月人形
名前ではないですが、金太郎がモチーフにされた最もメジャーな物ですよね。
まさかりを担いでいるのも肌が赤いのも雷神の子だから、という理由が実はあります。
でも五月人形になるときはより健康で強い子どものモデルという象に近づけるために、肌は普通の色になりました。
その代わりにその赤が移ったのがひし形で真っ赤な前掛け、という訳です。
おまけに、大体五月人形売り場で流れている「まさかり担いで金太郎」という曲は明治33年に発表されました。
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まとめ
今回は、金太郎の物語について、あらすじや教訓として伝えるべき内容を紹介いたしました。
- 金太郎は強くて優しい
- まさかりと赤い前掛けは雷神の子の証
- 源頼光にスカウトされ、家臣になり坂田金時に
- 大江山、羅生門の鬼退治に参加した
金太郎のお話にはこのようなポイントがあります。
子どもに読み聞かせをするときなどの参考にしてみてくださいね。
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