- 「のたまう」ってどういう意味?
- 日常会話で使うと嫌味や皮肉にとられて失礼になるって本当?
のたまうとは、ごく簡単にいえば「言う」の尊敬語です(「おっしゃった」と同じ意味)
しかし、日常会話「あの人がこうのたまった」というように使った場合には、嫌みや皮肉、軽いからかいなどのニュアンスが伝わることもありますので、注意が必要です。
以下では、のたまうという言葉の意味や漢字の使い方、言い換えのための類語について、簡単に分かりやすく解説していきます。
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目次
のたまうの意味とは?状況によってニュアンスが異なるので注意!
のたまうとは「言う」の尊敬語です。
現代語でいう「おっしゃる」と同じ意味ですが、「のたまう」日常会話では通常使われることのない言葉です。
- 通常使わない言葉をあえて使う
- →独特のニュアンスを伝える意図がある
というのがポイントです。
具体的には、「のたまう」は相手に対して嫌みや皮肉を言う場合や、からかう際に使われる言葉なのです。
次の項目では、この皮肉なニュアンスで「のたまう」という場合の例文を紹介しましょう。
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嫌味や皮肉と取られてしまう可能性も…
かつては「天皇が自分の意見を世に伝える」という意味で使われていた尊敬語「のたまう」は、現在では嫌みや皮肉めいたニュアンス伝えるために使われることがあります。
ですから特に職場の上司などとのメールや会話の中で使用する際には、充分に注意が必要です。
例文で使い方を理解しておきましょう。
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例文①:大きなことを言う相手に皮肉を込めた状況
「俺はいつかきっと総理大臣になってみせる」とあいつはのたまった
例文②:相手をいさめ、軽く侮蔑する状況
「そんなみんながわかりきっていることを偉そうにのたまうな」
例文③:相手に敬意を表す状況(本来の使い方)
天皇陛下は新しい時代を迎え、国民に向かってお言葉をのたまった。
現代語で「のたまう」を使うのは、皇室の方の発言を引用する場合など、極めて特殊なケースのみと理解しておきましょう。
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過去形だとさらに皮肉っぽく聞こえることも
「のたまう」が過去形になると「のたまった」「のたもうた」と表されます。
しかし現代は「のたまう」が皮肉を込めて使われることが多いので、過去形も同様に思われることがあります。
ですから、例えば「社長が訓示をのたもうた」という場合は、「のたもうた」の代わりに、同じ意味の現代語「おっしゃった」「仰せられた」などを使うとよいですよ。
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のたまうの漢字の使い方について:古文では頻出!
古文で「のたまう」といった場合には、本来的な意味での尊敬の意味を込めた言葉になります。
用いる感じには「宣う」と「曰う」の2種類があります。
のたまうの漢字は2種類ある
- 「宣う」
- 「曰う」
「宣う」と「曰う」はどちらも「のたまう」と読みますが、実は意味は違っています。
以下では、この2つの言葉の意味の違いと、古文での使い方について解説しましょう。
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「宣う」の意味と使い方
宣うには「言う」の尊敬語であるおっしゃるという意味の他にも、相手に物事を申し聞かせるという意味があります。
平安時代に書かれた紫式部の「源氏物語」の「帚木」の中にも「いとかしこき仰事に侍るなり。姉なる人に宣いてむ」という一文があります。
現代語に訳すると「これはまた異なことをのたもうものだ」という意味になり、相手に対する皮肉を込められています。
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「曰う」の意味と使い方
曰うは現在の言葉で「曰く(いわく)」と読み、「言う」と「理由、わけ」という意味があります。
古文の授業で習う孔子の論語の「子曰」は、「シ イハク」と読みます。
「子」は孔子のことで「先生」の意味、「イハク」は「言うこと」で、直訳すると「先生の言うことには」となります。
また、昔は孔子への尊敬を表すため、「子曰」を「シノノタマハク」と読むこともありました。
ちなみに「のたまう」の過去形は、「のたまった」「のたもうた」などと表します。
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のたまうの類語は?
のたまうの類語には、「おっしゃる、言われる、言及なさる」などがあります。
のたまうの類語(言い換え可能な言葉)
- おっしゃる
- 言われる
- 言及なさる
これらは言葉はいわば「のたまう」の現代語でもあり、プライベートやビジネスでも日常的に使われる言葉です。
「目上の人が何かを言った」というときに使う言葉になります。
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まとめ
今回は、「のたまう」という言葉の意味や漢字の使い分け、類語について解説しました。
のたまうには、「言う」の尊敬語という意味と、嫌みや皮肉、軽いからかいなどを表す意味があります。
特に目上の人に使う場合は、嫌みだと取られないように充分に注意して使ってくださいね。
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